アクセンチュアによるゆめみ買収騒動に、社会の揺り戻しの動きが重なる / "何でも選べる"時代に訪れる節制・禁欲・宗教の時代 / YouTubeの時代に増している"どう見せるか"の技術の重要性
#41 Traces of Choice (20250512〜0518)
Traces of Choice は、JTCのIT部門で働く音楽愛好家が、ジャンルを横断して、日々気になった情報をキュレーションしてお届けするニュースレターです。
1.Tech
買収された会社社長がアクセンチュアをディスった? ゆめみ“怪文書”騒動
この騒動、興味深すぎる。最近の社会の揺り戻しとも呼応するように、結局資本の力に飲み込まれるのだろうか。
“ゆめみ社内は意外なほど冷静だったようだ。ある社員は「社長に確認したわけではない」と前置きした上で「社内では『いつものこと』という受け取られ方をしている。センシティブな内容の文書に対し、意表を突く切り返し(=Xへのネタ投稿)でユーモアに変えようとしたのではないか」。
つまり、この社員は文書を書いた人間は別にいて、社長は騒動を丸ごと煙に巻くようなジョーク投稿をしたとみていた。それは「社長の普段の行動パターンを見ていると分かる」という。
果たして、これで怪文書騒動は収まるのか。なお、ゆめみ広報はこの件についてアクセンチュアと協議したと認めたものの、それ以上のコメントは控えた”
これはありそうと思った
"アクセンチュアの役員の中に買収やM&Aで実績を作りたいタイプの人がいて、その人が会社のキャッシュでさくっと買える規模の会社を特に深い考えも無く実績づくりのために買収件数増やしたいだけ”
ちょっと外れた話だが、SHIFTやアクセンチュア、ベイカレントとかもそうだと思うけど、 やっぱこういう企業は「仕組み」がすごいんだよな、だからどんどんデカくなっていく
Microsoft、世界で従業員6000人削減 好業績でもAIシフト急ぐ - 日本経済新聞
管理職を切るみたいですね
”大規模な人員削減は2023年以来。人工知能(AI)に合わせた事業モデルに転換を進めるため、好業績でもリストラに踏み切る”ソフトウェアエンジニアらしい
”今回、削減対象とされた州内の従業員約2000人のうちソフトウエアエンジニアリング職が40%余りと、職種別で最多となった。同州にはマイクロソフトの本社がある”
やはり管理職も切ったっぽい
“私が注目したのはプロダクトマネジメントやテクニカルプログラムマネジメントといった中間管理職の解雇”
リクルートも
リクルートHD、約4000人の人員削減、3分の1のコードをAIで作成
“リクルートHDの2025年3月期通期決算は最終利益が過去最高でした。主力の米国人材事業は求人減の逆風に直面しましたが、4000人員削減と3分の1のコードをAIに書かせる効率化で高収益を維持”
2.Business Skill
AIが進化して無限に忙しいし、知的労働ができなくなっていく|Sotaro Karasawa
まぁタイトルの通りで、そうだよなぁと。
わからんのだが、テクノロジーというのは実はそういうものだったりするのだろうか
テクノロジーの進化によりSNSにばかり資本が注ぎ込まれて、出来上がった社会は、まともに考えない社会になってしまったわけで
3.Music
Why some young people are ‘quitting’ music("なぜ若者の中には音楽を「辞める」人がいるのか”)
おもしろい
なかなか強い言葉だ
"禁欲が新たな大流行だということです。節制、独身、デジタルミニマリズム、スマートフォン、そして宗教です。快楽主義的な過剰消費の時代は終わりました。私たちは、節度と自制を特徴とする新しい平和な時代へと移行しています”
朧げだが、東浩紀は「節制の時代だ」と言っていたし、 TaiTanは「宗教の時代だ」と言っていた気がする
つまりはこういうことで、まさしくそういう動きだな
"究極的に求められているのは、主体性、つまり時間の使い方、消費するもの、そしてその理由を選択する能力”
宗教といえば、こんな話も
4.Book
(今週はなし)
5.Video・Podcast
Mrs. GREEN APPLE「天国」Behind the Scenes
おもしろいねぇ
色々会話した末でだと思うが、最終的には自身でほぼほぼ映像のイメージを言語化しているのも、とても興味深い
6.Other
YouTubeインタビューの名手が語る7つの方法論「映像で話せない記者は生き残らない」 【竹下隆一郎】|一般社団法人デジタル・ジャーナリスト育成機構(D-JEDI)
ポインティは最初からフルスロットルだからそこに合わせにいったとか、 マルクス・ガブリエルとの対談は、「お話を聞く」ではなく、ガチインタビューなので、 あえて椅子を向かい合うように並べてつつ足も組んで、そういう見え方をわざとした、とか、めちゃ面白い
対面でも平行でもなく「ナナメ」がいいのではって話でもあるな具体の話がめちゃ面白い
Why has American pop culture stagnated?(”アメリカのポップカルチャーはなぜ停滞してしまったのか?”)
ノア・スミスの「アメリカのポップカルチャーはなぜ停滞してしまったのか?」、正直腹落ちしきれていないが、興味深い ポップカルチャーの停滞の根源は「テクノロジー的」および「経済的」要因にあるという主張
AIにまとめさせると、こんな話
米のポップカルチャーは、技術と経済要因で停滞している。スマホ等の技術が消費行動を変え、ジャンル内の「手の届きやすい革新」が枯渇し、過去作依存が増えた。また技術は芸術家の評価システムも変え、新しい挑戦(アバンギャルド)が生まれにくい構造と論じている。
つやちゃん|うまくなるだけでは、残れない。「技術の民主化」時代の作り手に必要な資質とは?【伝染するポップミュージック】 - あしたメディア by BIGLOBE
"世界を引きずってくる人"という表現がめちゃくちゃ良い、、、
"重要なのは、ただ巧く作れる人ではなく、自分の背負った土地・時代・からだ――そういった「世界のかけら」ごと表現に引きずってくる人”
ビジネスの現場でも肌で感じる、「SBNR」ニーズの高まりと熱狂〜『SBNRエコノミー』によせて(鎌浦慎一郎)
知らなかったMBTIやASMR的なあれを感じるな
"「SBNR(Spiritual But Not Religious)」とは、「宗教的ではないがスピリチュアル」という意味を持つ”
令和ロマン・髙比良くるま渡米目指す サービスをMeta社が買収か 米政権入閣で“中院”制度導入へ
何を言っているかわからないと思いますが、 この記事はソリティアとアメリカの連邦議会の解説記事です
Editor's Note
同じようなことを言っている気がしますが、やはり時代の転換点をマクロでもミクロでも感じます。
Podcast「流通空論」のイベント、「流通会議室」での話もそのマクロとミクロの両面の胎動を感じました。
【ライブの記憶】TaiTan×三宅香帆「流通会議室 presented by 流通空論 いいプロデューサーとは何か?」 2025/05/16|sho5_midday
この時代において、自分でコントロールできる範囲で、自分自身が考えを深めていく場が必要と強く感じる。
そういうこともあり、このタイミングでPodcastを始められたのはとても良かったと思う。
https://x.com/yohachuru/status/1923126763556663524
たとえ陳腐であっても、借り物ではなく、自分自身の肌触りがある思考や言葉を紡いでいきたい。そういうPodcastである。良かったら是非聴いていただきたい。