アルゴリズム社会へのカウンター:合意なき時代に「選択肢」を実装する
#87 Traces of Choice (20260608〜20260621)
Traces of Choice は、JTCのIT部門で働く音楽愛好家が、ジャンルを横断して、日々気になった / 面白かった情報をキュレーションしてお届けするニュースレターです。最下部のEditor’s Noteにて、気になった情報を横断して一つにまとめた論考を書いています。
1.Tech
No, everyone is not using AI for everything.(いいえ、誰もがすべてのことにAIを使っているわけではありません)
こういう感覚をちゃんと持っていないといけない
一部界隈で主流となっている「誰もがあらゆることにAIを使っている」というナラティブは事実誤認であり、実際には「一部の人が一部のことにAIを使っている」のが実態であるという話
これも近い話
こういう話もある。あくまで全体で見れば、AIを業務で活用している企業は34.5%にすぎない
The Dead Economy Theory(“死の経済理論”)
なんていうか、我々は、「給料」「労働」「提供価値」の関係性が訳わからなくなっているんだろうな
「労働(たくさん働く)」=「提供価値が高まる」=「給料が増える」というシンプルな関係性が完全に崩壊しているのだが、それをうまく理解できていないと感じる
Work Is a Four-Letter Word
その通りすぎる
“「AIは人間の雇用を奪うか?」と聞かれれば、そりゃ奪うに決まってるだろうと思うわけですが、今年度に入り、いろいろあって失業の恐怖を切実に感じ、それに怯えているワタシ的には、それがどの程度なのかが問題になります”
少なくともJTCにおいては、システム化もろくにできていないことが多数ある中で、人の雇用は守られているだけ、というのが実感なので、システム化できてない中でどこまでAI導入ができるのか?は疑問符ではあるが、もしそれが進めば、普通に人員削減の方向にいくに決まっていると思っている。リスキリングだとかなんだというか口ではいうだろうが、そう簡単にできるわけない。
カリフォルニア大学バークレー校ロースクール、学生のAI使用を厳格に禁止する新方針を採用 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
まぁこういう動きはでるよね
“カリフォルニア大学バークレー校ロースクールは、法学生のAI使用を規制する新たな、より厳格な方針を採用した。この規則は今夏発効し、単位取得のために提出される学業課題に関連するほとんどの活動でのAI使用を禁止している”
《日経Robotics》フィジカルAI 日本の処方箋[前編] 国を挙げて議論渦巻く、今何に取り組むべきか
フィジカルAI 日本の処方箋[後編]日本のスタートアップエコシステムは巨額資金必要のフィジカルAIを支えきれるのか | 日経Robotics(日経ロボティクス)
前後編でフィジカルAIについてかなりまとまっている
前編のここが気になった
“人間のegocentric動画など広範なマルチモーダルデータで事前学習させたフィジカルAIは「日本が強みの現場データ」がなくとも、将来的に「人間なら誰でもできるようなタスク」を、zero-shotやfew-shotでこなすようになる可能性がある”
これも特化型AIを汎用AIが上回ったという話だ、、、
特化型AIを汎用AIが上回るという話になると、まじでAI訳わからんってなってしまう、、、
Mythos時代は「ループエンジニアリング」が不可欠、推論コスト爆発を防げ
直近は、コストとコンテキスト(情報圧縮含む)の管理をうまく設計できるか、がポイントになる気がする
便利なはずのセルフレジ、なぜ煩わしい? 速水健朗が語る、“機械音痴”から見た現代テクノロジー
Fableのあれこれみても”現代のテクノロジーの発展方法が迷走している”というのは、本当にそう思う
“グレーバーは左派的な文化人類学者で、もし生きていたら、パランティアやマスクのような企業のあり方を強く批判したはずです。ただ、現代のテクノロジーの発展方法が迷走している、という点では、彼らは近い問題意識を持っている。立場はまったく違うのに、同じ停滞を見ている。そこが興味深いんです”
自作AIアプリで介護が変わった…「脱・介護地獄」目指す「初心者バイブコーダー」が増えている | Business Insider Japan
もちろんリスクはあるけれど、これは素晴らしいと思う
Phone bans are spreading across the US workplace
米でもこういう動きが出てきているのか、興味深い
“米国の職場では携帯電話の使用禁止が広まっている -学校で最初に普及した携帯電話使用禁止措置は、現在ではあらゆる業種の職場に広がりつつある-”
Everything is Recorded Now(すべては今や記録されている)
業務上の会話がデフォルトで録音される状況が不可逆的に進行しているという話。
音声データにこそコンテキストが宿っているので、この状況はしょうがないだろうね。 録音を「オプトイン(許可制)」ではなくデフォルト設定へと移行させていくべきみたいな話があるが、ここを転換できるかどうかは、結構大きな境目になりそう。
DAZNサッカープラン「返金・解約」手続き発表 「画面に書けばOK」はもう通じず――炎上背景と教訓を徹底分析
ここまでに至ったのは、結構エポックメイキングな事象に思える
“長期間の契約でユーザーを確実に囲い込みたいというプラットフォーム側の苦しい事情は理解できる。しかし、今回のように単体のサービスで高額な契約を強引に結ばせるような見せ方は、結果として消費者の強烈な反発を招き、企業ひいてはサービスの長期的な存続すら危ぶまれる事態を引き起こす”
“目先の利益を優先した分かりにくい表示によって、莫大な信用を失ってしまったDAZN。今回発表された返金や解約の対応が、対象となる全てのユーザーにとって真に透明で納得のいくものになるのか――圧倒的に失われた信頼を取り戻すための、企業としての真価が今まさに問われている”
#1 Slow Times - “ニューメディア”の時代
惜しまれながら終了したPodcast『Off Topic』のコホストだった宮武さんがニュースレターを開始
最近日本でもSubstackが少し流行り出している感はあるが、「ニュースレター」文化が日本でも定着するかは、この実験が成功するかにかかっているかもしれない。 もちろん、成功すべきだ。
やっぱ情報の引っ張ってき方が面白い、Geniusから着想得て、ちゃんと実装するのとか流石すぎる
2.Business Skill
機能を作るな。楽して作るな。 (LayerX社内資料) Don’t Build Features. Don’t Take the Easy Way Out.
「仕事」ってなんだろうねって話だった
“万一作ったものが全然だめで、機能を落とすとなったとき あなたが顧客に謝りに行けますか 代替となるやり方を、丁寧に示せますか。” というスライドが、過不足なく言葉が詰まっていて、素晴らしいと思った
これも「仕事」ってなんだろうねって話な気がする
“「マネージャー向きですね」と言われるたびに感じていた違和感。
そして「技術の人じゃないね」と言われるたびに感じていた居心地の悪さ。
その理由を、私は長い間うまく説明できなかった。
でも今なら少しだけ分かる気がする。
私はマネージャーになりたかったわけではない。コードを書くことから逃げたかったわけでもない。
ただ、複雑なものを理解して、少しでも単純にしたかったのだ。そしてそれもまた、エンジニアリングなのだと思う。”
誰もDXに困っていない不思議|Aki
真理
“DXがうまくいっている会社は、困っていません。それは当然です。そしてDXがうまくいっていない会社も、自分たちはちゃんとDXできていると思っています”
DXっていうのやめないか、業務改革でええやん って話もめちゃわかる DXというシステム文脈に乗せるから、システムの話に矮小化されてしまう
3.Music
MUSIC AWARDS JAPAN 2026総括。授賞式で見えた課題と可能性
「日本の音楽を世界に発信する国際音楽賞」なのであれば、最も問われるべきは、では「世界に発信できたのか?」だと思うので、”国内”から授賞式そのものを切り取って語ること”だけ”をしてもあまりしょうがない気がしており、前後も含めた線として、考えるべきだろう
で、その全体方針が見えないよね、というのがこの記事の要点だと思っていて、それはまさしくそうなんだと思う
King Gnuライブ、客の熱唱が物議醸す 音楽心理学者の見解は:朝日新聞
おもろいな、特に最後の締め
“「King Gnuの人たちはがちがちの『歌え』派なわけですよね。それやったらもうみんなで歌うしかないんじゃないですか」”
席ありで座りながら聴く感じのコンサートは別にして、”ライブ”って何を聴きに/見にいっているんだろうね
カラオケ番組が結構人気みたいな話とかと通ずる話かもしれない
4.Book
身体の美学入門-感性から捉えなおす人間の本質 (中公新書 2916) | 伊藤 亜紗 |本 | 通販 | Amazon
『人文知は武器になる』山口周 深井龍之介 | 文春新書
前半はいまいちピンとこず、後半は結構面白いなと思って読んだ
全体通して思ったのはタイトルと中身があってるのだろうか?という感覚だった。人文知というか歴史の話が多いように感じた
売れているそうなので、確かにこのタイトルだからこそ売れている側面はあるのだろうが、中身的にはもう少し違う話をしている気がするというか、より適したタイトルがあるように思った
一つ腹落ちしたのは、お二人のトークイベントも拝見して、この話は明らかに経営者などの意思決定層に対して向けられているので、その前提で読むとまた違う感覚になる気はした
逆にいうと、多分その層に本当に届いているの?別の層に届いていない?という気もするのだが
5.Video・Podcast
#69 コンサルブームとホワイトカラー・プロトコルの問題 - CANTEEN RADIO | Podcast on Spotify
あまりにも真理すぎるエピソードであった、、、 「仕事」ってなんなんだっけ?がどんどん合意できなくなってきていると感じる
もう一段掘ると、それは「提供価値」が合意できないということでもあり、なので、事業会社だとしても普通に起きている話、特にJTCにおいては、、、
まぁJTCは同様に、最初は雑用だし、AI含めて使える道具は著しく制限されるので、だったらまだコンサルの方が環境は良い気もする
この辺の物を読んだり、実体験として考えても、少なくともJTCはコンサル依存が著しい。 「専門性が欲しい」というのはまぁそうとして、それと同じぐらい、「自分たちが働きたくないので文句をあまり言わずに動いてくれる高級派遣が欲しい」ということもそれなりにあるし、「自分たちでは変えられないから責任をアウトソースしたい」ということも普通にある。 結局根本は、”事業会社側の衰退が著しい”ということなんじゃないかと思っている。 そりゃコンサルいくよねって気もする
結局、社会は2割の人がほとんどの「提供価値」を生み出していて、残りの8割はTodoリストをひたすら消化していくだけという構造なんだろう、というのが最近の実感。
これまでは、効率化みたいな話も結局大して進んでいないので、そこまで大きく社会変化が生じることはなかったが、これがAI時代でも同じなのかはよくわからん。 どうしても人手では必要だったから8割が必要だったけど、2割がAIで回せるなら、そうなっていく気もする。でもその時にぶち当たるのが、マクロ経済で見た時に、8割の消費者が消えるという話だと思う。この問題はマジで何もわからない
最近友人から仕入れたJTC小噺を一つ残しておくと、名のある大企業にて、定期的に各部に資料とともに対応依頼を行うような業務があるらしい。 そもそも自動化しろよと思うが、それは求めすぎである。 まぁそれは良しとして、でかい企業なので送り先も多いようで、何人かで分担して、内容を整えてメールをするそうなのだが、そのメールを送る際、そしてリマインドをする際、必ず全員同時に送信するルールらしい。 友人はなぜに?と聞いたところ、「だって、普通に考えて、部ごとにタイミングが出たら不公平じゃないか」とのこと。それなりに権限があり、給料もおそらく4桁もらっている人の言葉である。 友人は、この人と話しても無駄だと直感し、そうなんですねとその場は丸く納めたそう。JTCでは真正面から戦っても勝ち目はない。今は、より上位の人に対して、こういう無駄をなくすための大義名分をくれという交渉をしているらしい。
こういうことが蔓延っているのである。この件の難しいところは、当人は全く悪気がなく本当にそう思っているんだろうし、この言説自体は論理的には間違っていないこと。ただしそこでの「提供価値」を考えたときにどうなの?ということが会話にならないのだ。 さらに面倒なのは、実際に「不公平だ!」と言ってくる可能性がある人が普通にいることである。 さらにさらに面倒なのは、こういうのは上位層がなんとかすべきだろうと思う人もいるだろうが、JTCは新卒から数十年と働いている人がわんさかおり、そういった同質性や関係性がものをいう世界である。それなりに権限がある人の意見をそう簡単に無碍にできるはずもない。やるなら相当な大義と覚悟が必要だ。そのリスクを取って得られるものはそう多くないし、そもそもそのリスクを取ろうと思う人は多くない。 これが日本の「ホワイトカラー仕事」に起きているリアルではないかと思う。でもこういうところを変えていかないと社会は大きくは変わらないのである。本当に難しい。
そういえば、遠山さん出演繋がりでこちらもとても良かった
東浩紀降臨! - シットとシッポ | Podcast on Spotify
さすがに面白かった
知性しかり会話しかり自身の必然性しかりコンテンツしかり、まず確かな具体があったうえで、レイヤーを変えていく という話をこの回通してしていた気がするし、やっぱりそこなんだと思うなと考えながら聴いていた
【飲食と生活の美学】レシピ本はもういらない?「同時代性」で孤独を救うコンテンツの作り方(エリックサウス・稲田俊輔 - YouTube - 超流通
「すでに世の中には過剰なほどのレシピが存在するのに、なぜ新しいレシピ本が出版され続けるのか」の話がめちゃめちゃ良かった
ITだと「車輪の再発明」って嫌われるけど、AI時代にはこの考え方はかなり必要だなと感じる アウトプットとしての情報そのものよりも、プロセスとしての「生き方や美学」が重要であり、同時代にそれを感じるための切り口なんだろうなぁと思う
これは会話主体の”Podcast”というもの自体にも似た空気を感じる。 すでに市場に流布していることであっても、それを会話をしていく中で話者自体が腹落ちしていくプロセスみたいなのが重要なのだと思う
Podcastを始めてみて思っていること|catatsuy
これぞ、”Podcast”という話だった
“Podcastの作戦を考えるのは楽しい。どうやったら最初の1回を聞いてもらえるか。どうしたら1回聞いた人に他の回も聞いてもらえるか。どうしたら技術の話をしたい人に出たいと思ってもらえるか。考えることは多い。
ただ、最終的には継続することが一番大事だと思っている。
自分たちがおもしろいと思うものを作る。聞いた人に学びがあるものを作る。それを少しずつ届けていく。
1アクセスの重みが大きい。 聞いてくれる人が1人増えることが、本当にうれしい。 この感覚を大事にしたい。
Podcastは、長い時間をかけて積み上げるものなのだと思う。
焦らず続けていきたい。”
6.Other
ジョセフ・ヒース「ハラリ vs ヘンリック:人間の進化について科学が実際に語っていること」(2026年6月13日)
ハラリの人間進化の道筋である、知能→言語→協力→文化は誤りが多く、ヘンリックの「模倣性」を起点に文化から逆転した流れが妥当という指摘
ちゃんと考えたことなかったけど、確かになぁ。「模倣性」について、ちゃんと考えた方が良さそう
【濱口竜介×伊藤亜紗対談】体と居場所と物語
めちゃめちゃ良い対談だった
贈り物として書くというのは、「受け止めた」ということであり、”私があなたのことを受け取っている”ということ自体をちゃんと伝えたい という話が、特に良かった
自分が何かを書いたり話したりする時の根源的なモチベーションもこれに近いかもしれない
ビッグステイの時代が到来 ― 転職で給料が上がる10年の終わり|久松剛
AIによって、ポータブルスキルは一気に陳腐化し、組織固有の知識の希少性が相対的に増した というのがでかいんだろうと思っている
“スキルのポータビリティが落ちたこと。これこそが、残るほうが報われるというビッグステイの構造的な土台だと考えています。給与上昇率が逆転したのは政策や景気の話だけではなく、専門性そのものの性質が変わったことの帰結なのです”
これは最近よく考える、今は”会社員の時代”なんじゃないか、という話にも通ずる
人件費削減のために「A評価はあまり出さないように」と言われた部長が保身のために全員一律B評価をつけていたことが判明
これをそのまま受け取ると、そもそも他人の評価を公言するのがまずおかしいので、本当にそうだとしたら、その時点でアウトだと思うが、保身のためにそうするのは、まぁ普通にありえるだろうと思う 仮に状況が明かされなかったとしても、行われるのは、ただただそれっぽい理由を並び立てた意味のない説明だけである
そういえばちょうど似た話だったな、こういう話はそれなりにあるんじゃないかと思う、知らされないだけで
自分自身の経験としても、行動評価と実績評価的なのがあり、両方を相対的に良い評価は不可って人事から言われたから、片方下げたよ、上司自身も納得いってないけど って言われたことある 人事評価なぞ信用していないので別に良かったが、それ言われて、俺はどうすればいいのか全然よくわからなかった
在宅勤務、東京圏で一部定着も大阪圏ではコロナ禍前の水準に戻っていた NHK放送文化研究所調査
これ面白いな、なんでだろ “20年に12%だった東京圏は25年に14%と増えた。一方、20年に11%だった大阪圏は、25年に3%とコロナ禍前の状況に戻っている”
Geminiによると、 1:産業構造・職種構成の違い 2:通勤ストレスの違い 3:企業規模の違い ではとのこと、なるほど確かに
Gmail利用者の約20%、受信トレイのメールは「0」──衝撃的なアンケート結果が話題に【やじうまWatch】
20%側の人間としては、80%側の気持ちがわからないんですよ ちゃんと使っているサービスならノイズを消したいので、基本未読はゼロにしておきたい派
それができないってことは、情報洪水に溺れていると思うので、何か考えた方がいいと思っている
消費者の60%がブランドメッセージに「AI」という言葉が含まれていると敬遠する
まぁ素朴に考えて、消費者はAIを使いたいわけじゃないから、ただのノイズな気はする
“今回の調査で、ブランドメッセージに「AI」という言葉が含まれている場合、アメリカの消費者の60%はそれを魅力ではなく敬遠する要因と受け止めていることがわかりました。また、16%は「AIをうまく使っているブランドはまったくない」と回答しています。また、消費者の74%は、インターネットが10年前より人間味を失ったと感じているとのこと。AIとのやり取りが合成的に感じられ始める「ボット疲れ」までの平均時間は40分とされています”
テレビ離れ加速、20代は7割・30代は6割がほぼ見ず NHK調査:朝日新聞
“調査日(平日)に15分以上リアルタイムでテレビを見た人”っていう前提も重要そうだけど、それでもやっぱ減ってるな
Xユーザーのど素人ホテル再建計画 / バズ塾主宰さん: 「誰でも簡単にXのフォロワーを爆増させる方法」
バズの構造について理解を深めるために読んだのだが、色々と思うところがあった
単なるクラウディクラウド|吉本ばなな
この辺が特に色々と考える
“私は数年間に一度はしっかり炎上しているのでインスタ以外はほとんどSNSで発信をしていないし、スレッズは濃すぎてそもそもチラ見さえできない。Xでは自著の宣伝とインフォメーション、情報の収集、読書の備忘録、読者との交流に限っている。いずれにしても主婦というのは家のことが忙しくてそんなにSNSをがんばれないような気がする”
“今回心から思ったのは、「静かに小説を書いていこう」ということと、「品のある言葉づかいで、優しく話す人たちと過ごしたいなあ」ということだ。 そして人にはそれを選ぶ権利があると思う。”
最近自分が出したもの
「ちゃんとする」をやめたあと 〜アパートメントの美学から証明写真ガチャまで〜 - 余白のエクリチュール | Podcast on Spotify
AIで『ちゃんとする』がコモディティ化してきている中で、逆説的に『ちゃんとしてなさ』ってなんだろうね?について話した回です
参考リンクはこちら→
https://app.notion.com/p/2026-06-12_-57-37a1d2f9389a80ccac23f65765d55875
『Studio エッセンス』(つやちゃん&Lettyさん)と「関係性」を語って見えた、よはちゅる1年目の余白 - 余白のエクリチュール | Podcast on Spotify
文筆家のつやちゃんにお声かけいただいて、メディア/リサーチプロジェクト『Studio エッセンス』のヒアリングを受けた後の感想戦回です。これは聴いて欲しいです。
参考リンクはこちら→
https://app.notion.com/p/2026-06-19_-58-3811d2f9389a80169293f673427f6d05
Editor's Note
本編でも書いたように、メディア/リサーチプロジェクト『Studio エッセンス』のヒアリングを受けた。
これは自分にとって、とても大きなことであった。
ここ5年ほど自分が見てきた”世界”の中では、つやちゃんは最も優れた書き手のひとりであり、かつ、文筆家として活躍していると同時に、フルタイムの本業を持つ「会社員」である点は、とりわけ尊敬する点であり、可能性も感じている。
詳細はPodcastをぜひ聴いていただきたいが、そんなつやちゃんが、本気で取り組むプロジェクトに対して、声をかけていただいた自体ことが、自分がこれまでやってきたことの、紛れも無いひとつの達成だ。
Podcastでも触れたが、『Studio エッセンス』でも、三宅香帆さんと竹下隆一郎さんによる本に関するYouTube番組『Page Turners』でも同時期に言及された、九鬼周造の「いき」の概念には、何か時代的な流れを感じざるをえない。確実に機運がきている。
そして同時に、ヒアリングの中で特に印象的だったのは、「社会を変える」という意識と覚悟であった。炭鉱のカナリヤの役割を果たしうるカルチャーのメインストリームからアンダーグラウンドを横断してみる中で、そして会社員としてビジネスの世界にもシビアに接する中での実感が詰まっていると感じた。
そして、今回のニュースレターでも、アルゴリズムで無限生成されるような単純なビジネスの話ではなく、「いき」のような審美眼を意識したような、そしてそこからちゃんと「社会を変える」ことや、「社会に価値をもたらす」ことについて考える話が多かった。AI時代に、論理が著しくコモディティしていく中で、そのカウンターとして、論理に回収されない価値を見出し、それをもとに実社会に影響を与えようという意識が強まっていると感じる。
特に、#69 コンサルブームとホワイトカラー・プロトコルの問題 - CANTEEN RADIO | Podcast on Spotify は、ホワイトカラーに従事する人は全員聴いた方がいい。ここでは、オンライン会議の不毛さなどが真っ当に語られており、現代の分業制 / 官僚制 / アルゴリズム社会の問題点が、実地の体験から語られている。Todoリストの消化のための1時間のオンライン会議ではなく、話を前に進めて関係性を構築するための15分に価値を見出せるか。
とはいえ、実感として、母数で言えば、そういう制度に染まりきった人のほうが多いと見ている。本編には最近仕入れたJTC小噺を差し込んでおいたので、興味がある方はぜひ読んでみると面白いと思う。「いき」の話とJTC小噺は、全く対極の話であるにもかかわらず、この両面を合わせて考えると、良くも悪くも、社会は論理で動いていないことがよくわかる。
やはり、「仕事」とは何なのか?の合意は本当に難しい。抽象度が高いからだ。人は目の前の”わかりやすいモノ/コト”でどうしても判断をしてしまう。アテンションエコノミーはその際たる例だ。
機能を作るな。楽して作るな。 (LayerX社内資料) Don’t Build Features. Don’t Take the Easy Way Out. を読んで、これはシステム開発やプロダクト開発において、AIを仕事にどう活用するのか、真剣に考えれば必然に行き着く話だと自分は思っているが、おそらくLayerXほど優秀な人材を集めている組織と規模で、ギリギリ共有できるラインなのではないか。わかりやすい目の前の機能に逃げずに、単純な論理だけでなく、その本質価値を考えることこそが「仕事」だということ。
しかし、The Dead Economy Theory(“死の経済理論”)を読んでも、社会が高度に発展したことで、我々は、「給料」「労働」「提供価値」の関係性に混乱し、「仕事」とは何なのか、わからなくなっていることがよくわかる。
例えばAIで考えれば、AIを活用して効率化を進めて、より少ない労力で多くの価値を産み出そうとすればするほど、単純に考えれば、論点は程度問題であって雇用は確実に奪うし、雇用がなくなれば収入を失い、消費者がいなくなった結果、マクロ経済は壊れていく、という可能性は増していくのである。
だからこそ、どういう社会を作っていきたいのか、という意思とビジョンが必要だ。その一要素として「いき」に注目する動きがあり、Podcastでも話したように、全体的な動きの機運も高まっているように感じるが、それを多くの人数で合意するというのは、人間には難しい。
必ずしも目の前の「数」を追い続けなくても良い。重要なのは、選択肢を確かな形で実装し、できるだけ多く残しておくこと。テクノロジーやアルゴリズムに全てを持っていかせないこと。
社会変革はそういった選択肢から少しずつ起きるはずだ。人間社会ではヘンリックが言うように「模倣性」が重要な役割を持つ。全てが合意されている必要はない。少数だが確実な実践が、模倣を通じて社会に少しずつ伝播し、テクノロジー一辺倒ではない選択肢を担保する。だからこそ『Studio エッセンス』のような活動に意義があり、そういう活動が同時多発的に発生している現状をポジティブに捉えて、自分が成せること/成すべきことを考えていきたい。








