合意なき時代の「共通善」から考える、多様な人を飲み込む巨大な「場」の持つ力
#90 Traces of Choice (20260721〜20260802)
Traces of Choice は、JTCのIT部門で働く音楽愛好家が、国内外問わずジャンルを横断して、日々気になった / 面白かった情報をキュレーションしてお届けするニュースレターです。最下部のEditor’s Noteでは主に、気になった情報を横断して一つにまとめた長めの文章を書いています。
1.Tech
宮本佳林『アイドルがAIと配信のシステムを全部作った話』
タイトルが釣りでもなんでもなく、そのままの通りの話で、びっくり。素晴らしい。
フェイルセーフ設計を入念に組み込んでいるのが特に素晴らしいと思う
HANAKIN配信システムの技術構成 | 宮本佳林オフィシャルブログ「かりんの頭の中」 Powered by Ameba
軽く調べたら、元ハロプロで、Juice=Juiceのメンバーだったようで。 Wikipediaにこう書いてあって、なるほどなと思った
”Juice=Juice加入にあたり、プロデューサーであったつんく♂から「これまでもハロー!プロジェクトの中で発生したいくつかのユニットにも参加してきた実力者」と評されており[9]、プロ意識の高さやストイックさに定評がある[68][69][70][71]。メンバーからも「Juice=Juiceの中で誰よりもストイックで、プロ意識が高い」(宮崎)[72]、「すごく勉強熱心で、アイドルの鑑と言っても良いのではないか」(金澤)[73]と称されている”
こういう話もあって情シスとしては警戒するんだが、やっぱりどこにでも”優秀”な人っているんだよねという話である
Everybody Wants to Be a Dev!(誰もが開発者になりたいと思っている!)
プログラミングの民主化というのは、常に失敗をし続けてきたわけだが、綺麗にその歴史がまとまっている
Hugging Face、AIエージェント侵入の技術詳細を公開──OpenAIモデルが4.5日で1万7600回の攻撃操作
この問題自体は、まぁ遅かれ早かれと思っていたが、これが一番ややこしい話な気がするな、、、米中のAI戦争がどんどん面倒なことになっていく一方だ。
“Hugging Faceは、調査自体もAIを用いて行ったとし、当初使おうとしたAnthropicの「Claude Opus」と「Fable」が「攻撃の解析を攻撃の実行と同一視するガードレール」によって作業の大部分を拒否したため、中国Z.aiのオープンウェイトモデル「GLM-5.2」を自社インフラ上で動かして解析パイプラインを構築したと説明している”
まぁ公になってなかったり、気づいてないだけで色々起きてるんだろうな
なんだかなぁ
MicrosoftやNVIDIAなど、AIのオープンウェイト規制に反対する書簡を公開――Anthropicは署名せず
Kimi K3の登場などを受けてか、オープンモデルに関する議論が一気に盛り上がっている
主題は違うけれど、これも関係はしている
Bernie’s bad bet on OpenAI - by Kobe Yank-Jacobs(バーニーのOpenAIへの賭けは失敗だった)
始まりはジェンスン・ファンのアカウント解説&最初のポスト
OpenAIやAnthropicなどの従業員、米政府に「AI開発のペース調整を」と提言
“規制を先回りさせるべきではないとする企業の声と、AI開発のペースを国際的に調整すべきだとする従業員個人の声。AI政策を巡る異なる立場からの提言が、数日違いで米政府に示された形となった”
まぁ客観的に見るとそうなのだとは思うが、自分には展開が早すぎて情報が全く追いついていないように見える。本質的には同じことを言っているのではと思うのだが、その調整がなされる時間も余裕もなさそう。
Googleのデータによると労働者がAIによる自動化で職を失うことはない
結論ありきに見える、何が言いたいのかよくわからない調査だった
“AIの普及を理由に複数の企業が大規模な人員削減を実施しており、「AIに職を奪われる可能性」がますます現実味を帯びつつあるように思われます。しかし、Googleが1500万件のAIとのやり取りを分析した結果、ほとんどの仕事のタスクがAIの影響を受けていないことが判明しました”
まず調査方式もいまいちピンとこないのだが、それはおいておいても、利用割合が多くないから、AIの影響は大きくはなく補完的な使い方ができているというのは、裏返せば効果が出ていないとも言えるわけで、何がいいたいのか、そもそも矛盾していると感じた
ChatGPTの回答を変えるという選挙戦術、米中間選挙の候補者が競う「AIへの説得」 【生成AI事件簿】米国で広がるAEO、Wikipedia更新12分で候補者評価が書き換わる新たな現実 | JBpress (ジェイビープレス)
なんていうか、無料インターネット空間における情報の正当性をどう維持していくか、現実的な道筋がよくわからない
“では何ができるか。前述のシンクタンクDemosは報告書の中で、選挙法の更新、AI事業者への最低基準の設定、独立した研究者によるデータアクセスの確保を政府に提言した。日本でも同じ議論を、選挙のたびに繰り返される場当たり的なSNS批判としてではなく、制度設計の問題として始める必要がある。 同時に、有権者の側にも変化が求められる。チャットボットの回答は誰の目にも触れない一対一の対話の中で生成され、新聞広告やテレビCMと違って、第三者による検証が構造的に働かないからだ。私たちがAIに問いかけるとき、その答えは誰が書いたものなのか。この問いを社会で共有しないまま次の国政選挙を迎えることこそが、最大のリスクである。”
すくなくとも、これだけじゃどうにもならんだろうという気がする。ブロックチェーン的に手をかける仕組みもしくは前時代的な権威によって、情報の正当性を担保する、以外の道筋にはどんなものがありえるのだろうか
データベース「PostgreSQL」がどのように実際には内部で動いているかがシムシティっぽい3Dでわかる「PGSimCity」
面白そう
システムって普通に抽象度高すぎるにも関わらず、二次元のテキスト情報でしかうまくコミュニケーションできていないことが色々とうまくいかないことの大きな要因の一つだと思っているので、こうやって立体的かつ(擬似)物理的に動きの理解もできるようになると良いと思うんだよな
“PostgreSQLは世界中で広く使われているデータベース管理システムですが、SQLを実行したときに内部でどのプロセスが動き、データがどのようにメモリやディスクへ読み書きされるのかを直感的に把握するのは簡単ではありません。そんなPostgreSQLの内部構造を、シムシティのような3D都市として可視化してくれるウェブアプリが「PGSimCity」です。”
Roblox、大人の8割弱が「知らない」 企業活用と消費者認知の深い溝 | ニュース | IT×エンタメの最前線を届ける | MEDIAMIXI
肌感としてはよくわかる結果だった。こういうところも「界隈化」が起きてるんだよなぁ
“WAKAが2026年7月に実施した調査で、30〜69歳の男女640名のうち78.6%が「Roblox」を知らないと回答し、企業によるマーケティング活用を知っていた人はわずか5.2%にとどまったことが明らかになった。YouTubeやTikTok、Instagramといった主要デジタルサービスの認知率が軒並み9割を超えるなか、Robloxだけが突出して低い水準にある”
”主なユーザー層はZ世代・α世代で、2025年第4四半期における世界の日間アクティブユーザー数(DAU)は1.44億人に達する。2021年3月のニューヨーク証券取引所上場を機に利用者拡大が進み、海外ではナイキの「ナイキランド」、グッチの期間限定「Gucci Garden」など、ラグジュアリー・スポーツブランドの参入が先行してきた。国内でも住友商事が「Omochi Studio」名義で複数コンテンツを配信し、和風ホラーゲーム「ペタペタサマ」は訪問数1億回を突破するなど、企業側の活用はすでに一定の実績を積み上げている”
”Robloxを知っている層に限れば評価は一変する。「Z世代・α世代向けマーケティングとして有効」と回答した割合は56.9%に達し、今後の活用に関心を示す割合も認知なし層の4.6倍に上った。 とりわけ30〜40代の子育て層(認知率44.8%、有効性評価34.3%)や世帯年収1000万円以上の層(認知率32.6%、有効性評価28.1%)では、認知・評価ともに全体平均を上回った。認知のきっかけは「SNSで見た」が37.2%、「子ども・家族から」が23.4%を占め、広告出稿によらない家庭内・SNS経由の伝播が認知拡大の主経路になっていることがうかがえる”
AI時代に新しい読者や仕事と出会うための仕組みを導入。noteのクリエイターページを案内ファイル「llms.txt」に対応|note株式会社
へぇと思ったけど、少し調べた感じ、現在の趨勢としては「llms.txtはほぼ意味がない」派がかなり多いっぽい。 まぁ全く意味がないとも限らないっぽいし、AIを意識した対応をしていますよというイメージ戦略としては十分機能するだろう
Substack adds an AI detector to help spot blogs written by no one(Substackは、誰も書いていないブログを見つけるのに役立つAI検出器を追加しました)
Substackが文章のAI生成判定機能を追加したようだが、どうなんだろう
わざわざそんな機能を使うこと自体が面倒な気もするのだが、それだけSubstackとしては人が書くことを重要視しているということでもあるか
AI Mania Is Eviscerating Global Decision-Making — Ludicity(AI熱狂が世界の意思決定を蝕んでいる)
やや言い過ぎな気もするが、AI云々は結構な割合が投資家向けの言葉であって、ユーザのためでも従業員のためでもないよなと思うことは多い
2.Business Skill
理解を手放さない - Shin x Blog
“理解”に対する向き合い方に、AI時代のセンスが滲み出るかもなと思った
この積み重ねがめちゃ重要になってくる “この理解を作る上でポイントにしているのが、成果物を見る前に、生成されるコードの姿や挙動、影響範囲を自分なりに想像しておくことです”
“理解を手放さないとは、説明できないものは出さない、ということでした。AI がコードを書く速度はこれからも上がっていきますが、その分だけ人間の理解が律速になります。焦りに流されて理解を落とすより、止まってでも理解を確保する。今はその心持ちでいます。
なお、本エントリの内容は 2026 年 7 月時点の考えです。AI の進化や、検証の仕組み・制度の成熟によって、どの抽象度で理解を握るのが良いかは変わっていくでしょうし、理解に対する考え方そのものも変わっていくと思います。その時はまた、その時点での考えをまとめたいですね”
The Religion of Speed(スピードの宗教)
“優れた仕事は、たいてい人々の予想よりも穏やかだ。もちろん、動きは止まらない。出荷も滞らない。意思決定も滞らない。しかし、パニックを真剣さと混同しない。あらゆる一時停止を弱さと捉えない。動きそのものを崇拝しない。物事は急ぐのをやめた時に初めて速くなるという、時代遅れとも言える考え方を受け入れるのだ。 スピード狂たちが決して理解できないのは、まさにその点だ。 思考を省き、明確さを欠き、文脈を無視し、責任を回避すれば、しばらくの間は速く進むことができる。しかし、仕事は記憶している。システムは記憶している。それを維持する人々も記憶している。 いずれ現実は当然の報いを受ける。そして現実は非常に忍耐強い”
“速さ”についてももっと考えたい、いろんな”速さ”があるはずで、少なくともここで書かれている”速さ”は本当にその通りだと思う
そういえば、「理解とスピードはトレードオフではない」という話もあるな
3.Music
地下アイドルという海から「回遊魚」が消えた日──音楽好きはどこへ行ったのか|jubio_09
興味深い話だった
そこまでどっぷりだったわけではないので肌感があるわけではないが、感覚的には、書いてある通り当時のバンド界隈はそこまで面白くなく、面白さを求めた層がアイドル界隈に染み出して行ったように感じる(めちゃめちゃわかりやすいものだとBABYMETALとかもこの文脈で見れるかも) でも、2010年代後半からは、おそらくサブスクの普及を含む時代の流れとともに、別にアイドルでやらんでもバンドや個人で面白い音楽やれば良いじゃんという流れになり、アイドル界隈への流れは薄まったのかなと思った。
あと、アイドル界隈内の話は、まぁこれだろうな、あらゆるコミュニティで起きる「最適化」の話 ”一つの生態系として最も恐ろしいのは、新規の流入が止まることで、現場にいる既存の「太客」の濃度だけが異常に上がっていく現象です”
【2026年上半期振り返り・音楽編①】Trooper Salute、座布団忍者らインディバンド活況 / What’s NiEW MUSIC | カルチャーメディアNiEW(ニュー)
へぇ、Trooper Saluteの1stアルバム『友達がいました』、海外でも評判良いのか ”日本だけじゃなく海外でも、例えば「Album of the Year」というインディロックのオタクが集まる投票型のサイトがあるんですけど、そこで今年のアルバムの中でユーザースコアが3位になったんですよ。世界のロックの中で。過去に日本の作品では、青葉市子さんが上位になったぐらいなんですね。それくらい世界的にも評価が高い”
GEZANマヒトゥ・ザ・ピーポーが性加害、バンドは一定期間の活動を休止 - 音楽ナタリー
流石に触れないわけにもいかなかった
基本的にはポストした通りの考え方。主語をでかくして”次”の話に行こうとするのも、個別具体の話と割り切って終わりにするのも、違うと思っていて、その間のバランスがあるはず
これもそのバランスをどこか欠いているように思った
GEZANマヒトゥ・ザ・ピーポーが性加害を認め声明を発表。NiEWからのお知らせ | カルチャーメディアNiEW(ニュー)
そして、別にメディアも含めて基本的にSNSでどうこう言う必要はないと思うので、近い人はちゃんとコミュニケーションとって、上記のようなことを考えて欲しいと思った
当人の公表文面への違和感は拭えないが、幸い被害者の方とコミュニケーションできているようではあるので、一にも二にもそこからだろう
『テレ東音楽祭』大森時生が語る演出の核心 過去と現在を等価に並べる独自の視点、名曲と“出会い直す”歌番組に
話題になっているっぽいことは認識していたが、何がそんなに話題になったのかからよく知らなかったので、そのあたり含めてうまくまとまっていて興味深かった
人は30歳頃を境にコンサートを立ち見よりも座って楽しむことを選ぶようになる 新しい調査結果 - amass
これは実感としてはとてもわかるかもしれない
最近は座ってゆっくり観たいと思うことが増えてきた
Spotify launches ‘User Notes’ to let users add memories to songs | TechCrunch(Spotifyがユーザーが楽曲に思い出を追加できる「ユーザーノート」機能を導入)
シンプルなアイデア出し今更感がなくもないが、こういうのはSpotifyで定着したらかなり強いよね
4.Book
Xユーザーの晶文社さん: 「勅使川原真衣『ハラスメント最終報告』の情報が出始めました。 組織開発者として活動する勅使川原さんが、なかなか解決しないハラスメント問題に取り組んだ一冊。 https://t.co/n7RGGldV1q」
ダーウィン左派 | 晶文社
5.Video・Podcast
【2020s|リベラリズムの逆説──個人が自由になるほど、国家に依存していく】2020年代米国の思想的新潮流──ニューライト、暗黒啓蒙(ダーク・エンライトメント)、テックライト etc. - YouTube - 人文知から「時代と社会」を考える - デサイロ公式チャンネル
めちゃ勉強になった 説明的になりすぎない語りと内容がさすがである
学術的な話も興味深く聴いていたが、生活実感としては終盤に柳澤さんがおっしゃっていたことに尽きると思う 議論の多くが、「1:全体へと向かう力(統合・国家・統一):と「多:多様性へと向かう力(個・市民・分散)」という古くから議論されている問題に収斂する的な話もやっぱりそうなのかと思った
エンジニア界隈では揶揄されがちな「要はバランス」問題であって、バランスを思考停止的な静的なものとして捉えるのではなく、動的なダイナミズムのもとにあるものと捉えて、 そのバランスをどう作り上げていくのか、そのための仕組み・制度はどうあるべきなのか、ということをもっと考えたいね
Trooper Salute LIVE & INTERVIEW 2026.3.1【スペースシャワーTV特番】 - YouTube - SPACE SHOWER TV
なんていうか、良い意味で、バンドの質と熱量という芯を小宮さんが担い、ムサシさんがフロントとしてそれを良い距離感で表現し、残りの3人がしっかりと支えるという構図に見えていて、とてもバランスがよく見える
今後についてのコメントも、一人一人が全然違う角度から話しているのが興味深い。ロン三元さんの「みんなが夢を叶えるのが自分の夢」なんて言葉、今時の少年漫画でも出なそうだが、このバンドの空気感をみてると本当にありそうですごい。
#157 インパゴス島【百百(ヒャクヒャク)】 - 百百 | Podcast on Spotify
前半の円安の実感の話も、後半の言語に関わる解釈や影響の話も、自分の肌感にない話で興味深かった
特に前半部分は、あまり旅行に興味がないのでそこまでピンとはこないんだよな なんていうか「移動」ということの意味について、もう少し考えたい気になった
6.Other
態度としての『リベラル』を再考する 宇野重規×朱喜哲対談「バラバラな世界で、私たちは何を共有しうるか」前編【バラバラな世界で共に生きる】 | NHK出版デジタルマガジン
Podcastでも話したけど、配信で見て、2人の誠実なやり取りが印象に残っている
特に後編の「共通善」については重要な話に思う
今、それでも『共通善』を語るために 宇野重規×朱喜哲対談「バラバラな世界で、私たちは何を共有しうるか」後編【バラバラな世界で共に生きる】 | NHK出版デジタルマガジン
コストコ、米国民共通の「最後にして最良の」文化か
かなり興味深い話だ
“ 「コストコはある意味、文化的に米国の鼓動のようなものだと思う」。ノア・リンスキー氏はこう語った。「党派を超えてみんなが良いものだと同意できる、最後の場所の一つだろう」”
日本に置き換えると、どこになるんだろう? ぱっとはイオンモールなのかなと思ったが、お店としての建て付けとかは全然違いそう
でもMall boyzなんてまさしくだよな
”「小さい頃ショッピングモールで過ごした体験って、外国人も含めてオレらの世代は普通にみんな共有してる」という理由からMall Boyzに決定した”
#096_Sheep イン ザ・マメスープ
アルゴリズムによる過度なパーソナライズによって、全てが自分のためのコンテンツと思い込むような動きが出ているという話 本当にやばいと思うから、プラットフォーム側でどうにかしないといけないと思う、適切な”無関心”への設計が必要だ
“🐕「普通、ネットって自分向けの情報もあれば、自分とは無関係な情報もたくさん流れてくるじゃないですか。本来なら「あ、これは私のためのポストじゃないな」で素通りするはずのものが、ビーンスープ的な反応をする人は、そうならないんです」 🐏「投稿が「自分向けじゃない」っていう事実を、そのまま受け流せない人たちがいるってことですか」 🐕「はい。そういう人たちは、投稿の一般性と受け手の個別事情にズレがあったとき、そのズレをそのまま放置できない。代わりにズレを自分側に引き戻して、自分の事情を会話の中心に置き直しちゃうんです」 🐏「「関係ないなら離れる」じゃなくて、「私に関係ないのが納得いかない」に変換されちゃうんだ…」 🐕「まさに。あの動画の豆スープは「みんな向け」のものじゃないのに、自分のタイムラインに流れてきた以上「自分にも関係あるべきだ」って無意識に感じてしまう」 🐏「だから単に「自分には当てはまらない」だけの情報が、「自分が無視された」っていう不満にすり替わっちゃうんですね」
“SNSでは、その「包摂されるべきだ」という正当な権利の主張が、いつの間にか個人レベルの好き嫌いやマイナーな事情にまで濫用され始めちゃってる」”
ワールドカップ決勝戦とヨーロッパの未来|倉本圭造
無料部分のみ読んだけど、”いま”起きているグローバルとローカルの拮抗に関する面白い見立てだった
“「欧州は今までのような特別な存在ではどんどんなくなっていってる」プロセスが進行中であり、実際の「問答無用の権力性」は失われていってるんだけど、だからこそ、逆に「欧州的な良識の良い部分」は素直にグローバルに受け入れ可能になりつつある・・・という逆説的な現象があるはず”
“現実世界における「欧」の独善性が徐々にパワーダウンしてくるに従って、実際にはアルゼンチンチームよりスペインチームが好感されるような「新しい空気」も生まれてくる。
そこには「欧州的理想」が持つ良い面を、本当の意味で活かせる道も見えてくるということだと思います”
まぁもちろん少し単純化しすぎた見立てだと思うし、ほんの少しボタンをかけ違うだけで全然違う見方になっていたと思うが、とにかく今回はスペインが文句なしで強すぎたということなのかもしれない
Studio エッセンス_Vol.4 後編|Studioエッセンス
界隈における重要な存在としての”媒介者”という概念は、重要性は肌感めっちゃわかるのだが、もう少し良い呼び名がつくと良さそうな気がしている
“評論家でもないし、インフルエンサーでもない。変化し続ける界隈時代における、媒介者という存在”
“特定のプレイヤーが界隈で大きくなっていく時に、何がファクターになっているかが分からなくて。そこで見つけたのが媒介者だったと。ただ、これはインフルエンサーみたいなものとは近しいけど微妙に違うのが重要で”
“何にせよ、自身がプレイヤーであり、かつ同じ界隈内にリスペクトしている推しがいるオーディエンスであり、さらにそれを周囲に広める媒介者である、という3役を兼ね備えている人が最も重要なキーパーソンってことだね。つや:自分で創作もしながら、鑑賞者でもあり、さらに展示会に足を運び、ZINEを紹介し、プレイリストをつくり、Discordでおすすめし、飲み会でも熱く語るような人たちだよね。SNSに限らず、あらゆる場で界隈の熱量や魅力を周囲へと伝えていく存在”
はてなの11億円流出事件の報告書が生々しい…狙われた経理部長の判断ミスだけでなく、疲弊したバックオフィスと形骸化した内部統制の怖さが見えてくる
これは読んでおいた方が良い
あえていうと、やはりこの手のスタートアップ的テック企業の内情が窺い知れる話でもある。実体験的にも多かれ少なかれこんな感じではあるだろう、属人化が激しい中で担当者がやめてナレッジが失われるとか。
やや悪意があるまとめだが、まぁそういう見方はできるね
その成長実感は本物か―マイクロマネジメントで広がる、部下の「成長錯覚」 - パーソル総合研究所
部下の成長実感は高くても、上司は育成不足を感じているという「成長錯覚」、まじで結構起きてる気がするんですが、どうでしょうか
会議はただの話し合いではない---30年の「会議科学 Meeting Science」が示す5つの顔|Reading Monkey
“会議科学”なるものがあるのか、興味深い
こことかはマジでそうだと思う
“つまり会議は、組織文化の結果であると同時に、組織文化を日々再生産するための儀式なのである[^33][^34]。新しく入った人が「この会社のやり方」を学ぶ最大の教室は、研修ではなく日々の会議なのだ”
“会議文化は、組織文化の一部というより、組織文化が具体的に実行される主要な場所の一つである。だから、組織文化を変えたいなら、理念を書き換えるより、会議の進め方を変えるほうが早い。逆に言えば、どれほど立派な理念を掲げても、会議の進め方が変わらなければ、組織は何も変わらない”
“その組織が本当に何を重視しているかは、理念より、繰り返される会議の進め方に現れる。”
AIを活かしたいなら、人は切れない、かもしれない - Nothing ventured, nothing gained.
リスキリングにはあまり期待できないというのも、かといってレイオフに走るのも組織文化に影響するので難しいというのも、よくわかる話
この狭間でなんとかやっていくしかないんだろうなぁ、ただ似たような状況をこの数十年JTCは経験しているような気はしていて、そこから何か見出せないのだろうかという気もしている
ベイカレント型コンサルは、なぜ異常な成長率と高利益を両立しているのか|小出孝雄/エイジレスCEO
めちゃ良い記事だ
「極めて利ざやの大きいSES/派遣モデルの完成形」はその通りだと思うし JTCがなぜコンサル依存中なのか、一方で若者がなぜコンサルに行くのかの話でもある
外資コンサル就活、合宿は倍率50倍 「最強の新卒カード」求める学生 - 日本経済新聞
これはAI時代に知性の価値が目減りしていく一方、コミュニティの価値が相対的に上がっているという話でもある気がする
“外資系の戦略コンサルティング企業や投資銀行への就活ノウハウを学ぶコミュニティーが活況だ。将来のキャリア形成を左右する「最強の新卒カード」を手にしようと、売り手市場のなかで学生が早期に動き出している”
黒ばかり選んでしまうのはなぜ? その心理を専門家が解説
ファッションに対する興味が薄いので、無難かつ汚れが目立ちにくい黒を選びがちなのだが、色々と深い話もあるものだ。
“「無理に色を取り入れる必要はまったくありません。大切なのは、心の健康は、明るい色を身につけているかどうかだけで決まるものではない、と理解することです。むしろ、自分の見た目に心地よさを感じられることのほうが、無理に不快な色を着るよりも、はるかにポジティブな影響をもたらします。黒を着ることで安心感が得られ、自分らしくいられ、感情が安定するのであれば、気分をより良くするために、あえて黒をやめる心理学的な必要性はありません。感情の整え方は、人それぞれ異なるのです」”
“「いつもダークカラーばかりを着ることは、不安や悲しみ、精神的な疲れ、人生の大きな変化に直面している時期に、無意識のうちに自分を守ろうとする行動である場合があります。無理にワードローブへ明るい色を取り入れようとする前に、まずは今の自分が何を感じ、何と向き合う必要があるのかを理解することのほうが大切です。多くの場合、心の状態が変われば、服装もまた、本人も気づかないうちに自然と変化していくものなのです」”
お気持ち表明に理由はいらないので「己が不快だから」で押し通せ|めりぴょん/山野萌絵
この構造は結構興味深い
課題感として、感情ベースの結論ありきなのに、余計な理論武装ばかり現代人はうまくなっているよな、と思うことが多く、それで社会が面倒なことになっている気がしているので、まさしくそういう例だと思った
最近自分が出したもの
100円の豆苗から1000万円のシステムまで——期待をめぐる値付けの話 - 余白のエクリチュール | Podcast on Spotify
“値付け”って結構不思議じゃない?と思っていて、そういう話をしています
インフレカルチャーを理解しようとして、分からなさだけがインフレした回 - 余白のエクリチュール | Podcast on Spotify
“値付け”から派生して、文化系トークラジオ Lifeで話していた”インフレカルチャー”が興味深かったので、話してみた結果、カオスになりました
自分は、前回書いた”ユニコンテキスト”の話と接続させた、「インフレカルチャーは情報爆発から始まっている。そして現在起きているのはそこから地続きの【合意可能な機能的価値のデフレ化と合意不可能な意味的価値のインフレ&バブル化の両面】である」という説を唱えています
Editor's Note
北海道日本ハムファイターズのボールパーク構想から新球場建設地が決まるまでを描いたノンフィクション『アンビシャス 北海道にボールパークを創った男たち』がめちゃめちゃ面白かったので、いつか行ってみたと思っていたエスコンフィールドHOKKAIDOに、夏休みとして行ってきた。
感想としては、流石の前評判通りでとても良かった。スポーツ観戦をたくさんするわけではないので、スタジアムや野球場として他と比べてどうなのか?という視点では難しいのだが、基本的にストレスなく、楽しむことができた。
印象的だったのは、”良い場”だなと思ったこと。
球場内外でフードはかなり充実していて、それだけでも十分楽しめるし、実際に試合中に買いにいっても、それなりの人がどこにも並んでいた。(待ち時間はそこまででもないのでそこは問題なかった)
じゃあ試合見てないの?とも思われかねないが、もちろんそんなことはない。コンコース上などのあらゆるところに画面があり、そこで試合中継が映されているのだ。つまり、球場の中にさえいれば、どこにいても試合状況が把握できる。肌感的には、どこにいても画面が一つは見えるような配置のようにも感じたぐらいだ。
まぁそれでも、野球そっちのけで卓球にのめり込んでいる子供たちもいて(そう、卓球台があったのだ)、それはそれで微笑ましかったが。
スタンドもすごかった。とにかくLEDビジョンがあちらこちらにある。どうやら最近増設したらしいが、そこに常にいろんな情報が流れている。打率や防御率といった各種の数字面はもちろん、ちょっとした豆知識みたいなものも流れていた。さすがにやりすぎでは?というか気が散るのでは?とも思ったが、ある意味ショート動画全盛である”いま”っぽいとも感じた。
つまり、どこにいても”自由”に過ごすことができる場だなと思ったのだ。良いフェスなどもそうだと思うが、必ずしも集中して野球を見る必要もない。ただこの場にいて、この場の最低限の規範され守っていれば、各々が自分の思うがままに過ごすことができる。そういう意味で、”良い場”であった。
「共通善」という話が、宇野重規さんと朱喜哲さんの対談を配信で視聴して以降、気になっている。ちょうど記事にもなったようで、よくまとまっていると思った。
今、それでも『共通善』を語るために 宇野重規×朱喜哲対談「バラバラな世界で、私たちは何を共有しうるか」後編【バラバラな世界で共に生きる】 | NHK出版デジタルマガジン
リベラル云々の話はそこまでわからないが、ここで話されていた「共通善」をめぐる議論はかなり重要な話だろうと直感的にも感じている。
そして、哲学者の柳澤田実さんと、デサイロ代表の岡田弘太郎さんによるPodcast『2020s』でも近しい話がされていた。
一見、左右・保守/リベラルは対立しているように見えて、起きているのは個人と国家の間にある中間共同体が解体されてきたことにより、バラバラになった人々をどう繋ぎ止めるか、という話であり、そこにおいて注目されているのが「共通善」であるということ。
そして、それも突き詰めれば「1:全体へと向かう力(統合・国家・統一):と「多:多様性へと向かう力(個・市民・分散)」という古くから議論されている問題に収斂するわけで、結局は制度の有無ではなく、どういう制度であれば個々人の自由を保てるのか、という話ではないか、というような議論が特に印象に残っている。
これは宇野重規さんと朱喜哲さんとも深く共鳴している部分であろう。
もっと言えば、前回のA Philosopher’s One-Word Theory to Explain Why the World Feels So Weird(世界がなぜこんなにも奇妙に感じられるのかを説明する、ある哲学者のたった一言の理論)による「ユニコンテキスト」の議論とも直で通ずるはずだ。
ここでも、善は状況依存的であり合意が難しいが、悪はかなり普遍的なものであるがゆえに、インターネット時代のテクノロジーは悪の方に注目し/させがちであるといった話がされていた。
人々がオンラインになると、それが突然100万人に渡る規模になるため、投稿を否定的なものにする傾向が強まるのです。非難はあらゆる文脈にまたがるため、さらに広がります。これは、単一文脈の理論が現代のコミュニケーションが批判や悪意に偏りがちになると予測するであろう
善が合意できないとしても、それを語ってみようとすることが重要であると宇野重規さんは言うわけで、本当にそうなのだろうと思うが、ではもう少し広く考えて、バラバラになってしまった我々が共有できるものというのは、本当にないのだろうか?
ここで、冒頭のエスコンフィールドの話に戻る。やはり”場”というものは重要なのではないかと思ったのだ。
その意味でも、コストコ、米国民共通の「最後にして最良の」文化かの記事は、面白い観点かもしれないと感じている。
「コストコはある意味、文化的に米国の鼓動のようなものだと思う」。ノア・リンスキー氏はこう語った。「党派を超えてみんなが良いものだと同意できる、最後の場所の一つだろう」
とまで言われているコストコは、何かアメリカ国民を繋ぎ止める力を持っているかもしれない。でかい場所というのが重要なのだろうか、物理的な巨大空間が、デジタルな「ユニコンテキスト」の暴力を無効化し、多様な文脈を生み出す防波堤として機能していると見るとどうだろうか。
そして、コストコを日本に当てはめて考えてみれば、やはり「イオンモール」ということになるのだろう。
直近熊本で地震を起因とした痛ましい事故が起きてしまったとはいえ、その後の対応は概ね高評価のように見えるし、ある意味如何にイオンモールが地方にまで根付いているかの証左でもあったかもしれない。
そしてモールといえば、個人的に想起するのは、今年音楽活動から引退するTohjiとgummyboyによるユニットMall Boyz。詳しいわけではないが、Wikipediaにまさしくのようなことが書いてある。つまり、旧来の地域社会という中間共同体を持たない世代にとって、無機質に見える「ショッピングモール」こそが、唯一共有可能な原風景として確かに機能しており、その表現がユースに支持されているのだ。
メンバーの出身地がバラバラであり、決まったhoodを持たないため、「小さい頃ショッピングモールで過ごした体験って、外国人も含めてオレらの世代は普通にみんな共有してる」という理由からMall Boyzに決定したという
確かに、善を多数の人で合意することは難しいのだろう。だが、それでも悪以外で何かの我々が最低限共有・合意できることはあるのではないだろうか。
それを「共通善」という言葉でもいいかもしれないし、そういう言葉でなくてもよいので、語ってみようとすること。その一つの可能性として、コストコやイオンモールのような具体的な”場”を考えてみる。ここに流れる多様な文脈から、制度と自由のバランスの取れた関係性を見出すことができるのではないだろうか。
明らかに蛇足であることを覚悟して、もう一曲。とても大好きな曲だが、ここでの「ショッピングモール」観はまた別の切り口だろう。しかし、2017年当時の均質化された空間への虚無感は、10年経ってまた別の意味合いや感情を生み出しているかもしれない。













『地下アイドルという海から「回遊魚」が消えた日』、面白く読みました。ライブハウスの興業もアルゴリズム的・フィード的なシステムになっているように思いました。